2020/11/17

ボケ5人とか多すぎる

「あ~……いま何時だろ」
 休みの前の日なのをいいことにとことん夜更かしコースでゲームしまくったおれは、とうぜんながら盛大に寝坊した。シンクの前でコップ一杯のミルクをぐいっと一気飲みして、ぷはーっとひといき。なに食べようかなぁて戸棚をがさごそ探ってると、テヒョンイひょんがキッチンにやってきた。スマホ片手になにやら、こむずかしい顔をしている。
「おはようございます、テヒョンイひょん」
「おそようございます、でしょ。もう午後2時だよジョングク」
 冷蔵庫のドアを開けるそのうしろ姿の、頭のうえでぴょんとはねてる寝ぐせに本人はぜんぜん気づいてないみたいだ。ひょんだって寝坊したんじゃないんですか、そう言おうとしたら、ぷしゅ、てペットボトルのフタひねりながら「あのさ」て話しかけてきた。
「ジミンがいないんだけど知らない? どこいったか」
「ジミニひょん? さあ。おれ、いま起きたばっかですし」
 こくこくとコーラを飲んで口もとを手でぬぐったテヒョンイひょんが首をかしげる。
「なんか、あいつ朝からずっと見あたらないんだけど」
「そうなんですか?」
「そうなんだよ。おれはやく捕獲しなきゃなんだけど、あいつのこと」
「捕獲って。くじらですかジミニひょんは」
「あいつに貸してた本いいかげん返してほしくてさぁ」
 言いながらフタを閉めてボトルをテーブルに置くと、寝ぐせがぴょこんと揺れた。あ、やっと気づいたかな、ん? て顔して頭のうしろんとこに手をやってる。
「おまえ、あいつから今日はどこ行くとか聞いてない?」
「や、なんも聞いてないですね」
「そう、こまったなーどうしよ」
「電話すればいいじゃないですか」
「そう思うじゃん? でもさー」
 長めの指がスマホをぱぱぱといじる。すぐにどっか遠くのほうから音が鳴り響いてきた。
「スマホおきっぱなの? ジミニひょん」
「そ。だから困ってんのよ、おれ……せっかくストレス解消しようって思ってたのにさ」
「ストレス解消?」
「うん。めっちゃいやされるのよ、あの本」
 どちらからともなく音の発信源のほうに向かう。ジミニひょんてば、自分のソロ曲を着信音にしてんだ。いつ変えたんだろう。前はこの曲じゃなかったと思ったけど。ぷち、て電話を切ったテヒョンイひょんは、頭のうしろらへんを手でわさわさしながら軽くため息ついた。
「あの本どうしても今日中に必要なんだけど。なんでこんなときに限っていないの、あいつは」
「コンビニでも行ってるんじゃないんですか」
「でもさーホソギひょんがさ、もうずっと朝からいないってゆってたから。起きたらベッドがカラだったって」
「へぇ、ジミニひょんがホソギひょんよか早起きなんて、めずらしいですね」
「でしょ。ほかのヒョンたちに聞いても、だれもジミンに会ってないとかゆってるし。あいつの今日の予定とか、なにも知らないって」
「そうなの? 貸したのって、なんの本なんですか」
 ふっと立ち止まったテヒョンイひょんは、ひょいと肩をすくめた。
「ソレワァ、チョット、オシエラレナ〜イデ〜スネ」
「……なんで急に外人ふう」
 えろいやつ? て聞いてみたけど、なにも返事をしないまんまで寝ぐせぴょこぴょこ歩いてく。え、聞こえないふり? なのか? そのまますたすた進んでいってジミニひょんの部屋のドアをコンコンとノックした。なにも反応がかえってこない。
「だれもいないみたいですね」
「おれまじでピンチだから勝手に入ってい?」
 おれに聞かれても、て言おうとしたけど、おれに、の「お」んとこですでにドアはがちゃっと開け放たれた。ほんとに勝手にいいのかなぁ、入っても。この部屋ホソギひょんと共有だから怒られたらヤなんだけど。おずおずと遠慮がちに足を踏み入れようとすると、目の前にいたテヒョンイひょんの手からスマホがぽとんと床に落ちた。
「……え、やばい」
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