2020/11/17

アカデミー賞がおれを待ってる

「ねージミナ、おれさー小説でも書いてみよっかなぁ、なーんて思ってさ」
 宿舎に戻るとちゅうの車のなかで、隣のテヒョンがうきうきしながら声かけてきた。
「小説? おまえが?」
「うん。ホラなんていうかさ、なにごともさ、あたらしい分野にチャレンジするのって、だいじじゃん?」
「そうだな、チャレンジするのはいいことだ」
「でしょ、歌とかダンス以外にも視野を広げてさ」
「うんうん」
「だからさーおれ書いてみたのよ」
「へぇ、テヒョンすごいじゃん小説とか」
 だろ? とテヒョンはいそいそと、かばんのなかからノートを取り出した。もったいぶって宙にひらひらと見せつけてくる。
「へっへージミナ、おれの小説、読んでみたい?」
「あ、べつに。けっこうです」
 さっと目をそらしてスマホに手をのばそうとしたら、ぐいっとノート押しつけられた。
「しょうがないなーそこまで言うなら読ませてやるよ、おれのデビュー作」
「だれが読みたいっつったよ、てかデビュー作てなに、おまえいつデビューすんだよ」
 ぺら、とめくって、さらにぺらぺらとめくってって、そしてぱたんって閉じてテヒョンをじろっとにらむ。
「なんだよこれ、まっしろじゃん」
「なんかなんも思い浮かばなくて」
「は?」
「やーこれがさ、いざ書いてみようとすると意外とむずいんだよね」
「テヒョンア、おまえさっきおれに読ませてやるとか、えらそうにゆってなかった? ひと文字も書いてないじゃん」
 テヒョンがほおをふくらませる。
「ひと文字もってなんだよ、もっと書いてるもん」
「書いてねーじゃん」
「ちゃんと読めよ、書いてんじゃんか」
「はあ? どこにだよ」
 おれからノートをひったくったテヒョンは、ぱらぱらとページをめくって「ほらここっ」て指さした。
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